HIV感染に気付かずにいきなりエイズを発症した場合に一番深刻なのが脳症です。
HIV脳症、エイズ脳症ともいわれますが、免疫不全が進行した状態で最も重いものです。
脳症を発症するということはHIVウイルスが中枢神経に侵入したということを示し、感染末期で見られる症状です。
近年では多剤併用療法(HAART)が行われ、HIVウイルスの増殖を効果的に抑えられるようになっているため、HIV脳は減っていると言われています。
でも、その症状に気付くきっかけの症状を知っておくことで治療が遅れたり、症状がより進行するの防ぐことができるかもしれません。
HIV脳症の現れ方
HIV脳症がどのような兆候を見せるのか、段階を追っていきます。
◆代表的な症状
HIV脳症の症状は
集中力の低下
物忘れ
作業能率の低下
無気力
など最初はエイズとは結び付きにくい症状がみられます。
年齢が進んでいる人なら単なる認知症と間違えてしまいます。
また、精神障害としては
幻覚
妄想
躁鬱状態
もみられます。
これらが発病初期の症状です。
◆進行した場合の症状
HIV脳症が進行すると運動機能にも影響がで始めます。
例えば、
歩行の不安定
下肢の脱力
震え
など日常生活の行動にも支障がでます。
合わせて認知障害もひどくなり、異常行動が目立ち始めます。
◆末期の状態
認知症はさらに進行
周囲にはほとんど反応を示さない
といったようにほとんど植物状態となります。
手足の麻痺が現れて、医師の診察を受けてさまざまな検査の結果、HIV抗体検査を受けて陽性反応となり、感染を知ったという例もあります。
エイズ発症をしてしまっている状態なので体の異常を察知して早めの受診と行動が求められるのは言うまでもありません。
HIV治療中の方が注意する症状
HIV治療には現在、多剤併用療法(HAART)が行われエイズ発症はかなり抑えられ、
エイズ発症前にHIV感染に気付いた場合の2年後生存率はの99%以上
エイズ発症後だと80%となっています。
早めに治療を開始すればそれだけ生存率も高くなります。
ですから、普段から体の変化に気を付けてすこしでもおかしいと思ったら早めに医師に受診することが大切です。
HIV脳症は
大脳白質、深部灰白質に病変があって、血管の中心に炎症細胞の浸潤(周りに広がっていくこと)がみられる
HIV脳炎
髄鞘( 髄鞘は神経細胞の軸索を何重にも取り囲んでいる密な膜構造)、軸索(神経細胞の一部)の脱落がある
HIV白質脳症が主なものです。
HIV感染が分って治療を開始している方も、
思考の緩慢化
集中力の低下
物忘れ
などに気付いたら、必ず主治医に相談することが大切です。
体が出す異常のサイン感染を知る貴重なきっかけになります。
エイズを発症してしまっていても治療はできるだけ早く始める事が症状の進行を抑えて寿命を延ばすことにつながります。
自分がHIVに感染性しているかどうか、事実を知るのは怖いことかもしれません。
でも、生活の中で体の異常にできるだけ早く気づいて、治療を開始することが命を救うことにつながります。
治療中に症状が変化したり、ここで取り上げたような症状が出始めたら一刻も早く医師の診断を受けてください。
自分がHIVの感染に気付いていないときには日常の体の変化や過去に感染するリスクに触れたかどうかも振り返って検査を受けることが発見につながります。
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